ヤマハサウンドシステム株式会社

IPアドレスってなに?

音響機器の通信で多く採用されるネットワーク。当社ホームページではコンピューター通信の世界標準であるTCP/IPネットワークに関する技術をお伝えしてきました。(音響設備でのPCの活用【前編】【後編】) 今回は、ネットワーク通信をする上で重要な役割を担う「IPアドレス(Internet Protocol Address)」をご紹介します。

※ 本記事のIPアドレスはバージョン4を示します。

IPアドレスとは?

「IPアドレス」とは、ネットワークに接続した機器を識別する番号です。ネットワーク上の住所とも表現されます。このIPアドレスをそれぞれの機器に割り当てることで、ネットワークに接続するたくさんの機器の中から通信相手を特定します。

IPアドレスってなに?

音響機器同士でネットワーク通信するイメージ

IPアドレスの構造

下の画像はヤマハの デジタルミキサー「QL1」のリモートコントロール用のIPアドレスを設定する画面です。

IPアドレスってなに?

「QL1」のIPアドレス初期設定である「192.168.0.128」を例に説明をします。
IPアドレスは4つに区切られた数値で表記されます。またドット(ピリオド)で区切り表記されることが多いです。

IPアドレスってなに?

この区切られた4つの数値は人が認識しやすい10進数で表現されています。実際の通信ではそれぞれを2進数(以下、ビット)、8ビットのデジタル値が使われています。

IPアドレスってなに?

区切られた各値は8ビットなので、10進数では最小値が0、最大値が255の範囲となります。

IPアドレスってなに?

8ビットのかたまりが4つ連なっているので、IPアドレスは全体で32ビットの数値であることがわかります。

IPアドレスってなに?

また、8ビットの値を、8を表すオクト(oct)から由来する「オクテット」と呼んでいます。足が8本あるタコも”オクト“パス、ですね。
上から8ビット毎に「第1オクテット」「第2オクテット」・・・、「第4オクテット」と呼びます。

IPアドレスってなに?

ネットワーク部とホスト部

IPアドレスは1つアドレスの中で、2つの意味を持ちます。それが「ネットワーク部」と「ホスト部」です。
「ネットワーク部」は機器が所属するグループ番号、「ホスト部」はグループ内での個別番号です。見分け方は次の「IPアドレスとサブネットマスク」の項で説明しますが、今回は32ビット中の第1から第3オクテットの24ビットがネットワーク部で、第4オクテットの8ビットがホスト部と分割します。

IPアドレスってなに?

IPアドレスとサブネットマスク

IPアドレスのどの部分がネットワーク部でどの部分がホスト部なのかを表すものが、「サブネットマスク」です。
IPアドレスとサブネットマスクの関係を表にしました。この表では、サブネットマスク(2進数)の数値が第1から第3オクテットまでが1、第4オクテットが0です。この場合、IPアドレス(2進数)の先頭ビットから順に、サブネットマスクのビットを縦に見比べて、サブネットマスクのビットが1のところがネットワーク部となります。IPアドレスのネットワーク部は、第1~第3オクテットの24ビット目までとわかります。

この他に、「192.168.0.128/24」と表記することがあります。この「/24」は、IPアドレスの第1~第3オクテットの24ビットまでがネットワーク部であることを示していて「24ビットマスク」といいます。

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もっと知りたい!・・・クラスフルアドレッシングとクラスレスアドレッシング

過去、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分割する方法として「クラス」という考え方がありました。クラスはAからEまでの5つで、クラスD、Eは特殊な用途で、通常用いるのはクラスA、B、Cです。

IPアドレスってなに?

ネットワーク規模によってクラスが決まり、IPアドレスの値や範囲が決まりました。この運用を「クラスフルアドレッシング」とか、単に「クラスフル」といいます。
クラスのホスト部を10進数したときの最大値は、クラスAで24bit=16,777,216、クラスBで16bit=65,536、クラスCで8bit=256。この値が、1つのネットワークで個別に割り当てできるIPアドレスとなります。

※ ホスト部が最小値と最大値になるIPアドレスは用途が決まっているため割り当てできません(例:ホスト部が8ビットの場合、最小値は0、最大値は255)

しかし、インターネットの急速な普及により、クラスフルの運用では使用できるアドレスに偏りがでて問題となりました。クラスフルはネットワーク部とホスト部の分割が3段階しかなかったためです。この問題を解決する方法が、現在も使用される「クラスレスアドレッシング/CIDR (Classless Inter-Domain Routing)」という考え方です。クラスレスアドレッシングでは、サブネットマスク(subnet mask)を用いることで、ネットワーク部の範囲を1ビットごとに変更できるようになりました。

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グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

IPアドレスは、大きく2種類に分かれます。それが「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」です。
「グローバルIPアドレス」はインターネットに接続された機器が世界中で重複がないよう割り振られるものです。同じアドレスが無いように管理されています。
「プライベートIPアドレス」は家庭内や企業内のようにインターネットに直接接続がないネットワークで使われる、自由に設定できるものです。音響ネットワークの機器には、このプライベートIPアドレスを割り当てます。プライベートIPアドレスに使えるのは表の範囲で、前述したクラスごと範囲が決まっています。
「QL1」の 192.168.0.128もクラスCは「プライベートIPアドレス」であることがわかります。

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もっと知りたい!・・・リンクローカルアドレス

ネットワーク通信で固定IPアドレスの指定または自動的なIPアドレスの割り当てがない場合、機器それぞれが自己割り当てするIPアドレスです。
自己割り当てなので、IPアドレスの設定を意識することなくネットワーク通信を可能するメリットがあります。音響システムで多く採用されているネットワークオーディオ「Dante」の初期設定は、リンクローカルアドレスです。

IPアドレスってなに?

小規模なネットワークでIPアドレスの割り振りを考えてみよう!

ここから、ネットワークに接続する機器に割り当てするIPアドレスを具体的に考えていきましょう。IPアドレスの決め方の手順の例を示します。参考にしてください。

1. 通信したい機器の総数からネットワーク部およびホスト部を決める
2. プライベートIPアドレスの範囲を決める
3. 通信したい機器のネットワーク部は同じ値にする
4. ホスト部は、同じネットワーク部の値をもつ機器の中で異なる値にする(ホスト部が最小値と最大値になるIPアドレスは用途が決まっているため使用できない)

下の表は、ネットワーク通信する機器が10台、すべてが相互通信する場合のIPアドレスの例です。

IPアドレスってなに?

まとめ

TCP/IPネットワークの「IPアドレス」をご紹介しました。音響機器10台程度のネットワークを想定してIPアドレスの割り当てる例を示しましたが、ホールや劇場の音響設備ではもっと規模が大きくなることが多いです。
規模が大きくなればネットワーク設定の管理が複雑になります。これを解消するため、IPアドレスを含むネットワーク設定を自動化するDHCPサーバー機能や、適切にネットワークを分割して管理はルーターで一元化する方法があります。今後、機会がありましたら、ご紹介します。
また実際に設定してみて、「うまく通信しない!」なんてときは、( 音響設備でのPCの活用【後編】トラブルシューティング! )をご参照いただければ、解決のヒントになると思います。この記事がネットワークの構築や設定などで、お役に立てば幸いです。

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